不正について思う事

日産自動車さんと神戸製鋼所さんの不正問題。

 

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会計士的な視点で不正のトライアングルに当てはめてみる。

・動機、プレッシャー

→日産は納期に間に合わせる、神戸製鋼は他者との価格競争に対する過度なプレッシャーがあったと考えられる。

・機会

→どちらも組織ぐるみでやってるから当然機会はある。

・正当化

→上司の指示だから仕方なくとか、みんなやってるからいいやみたいになっていたんだろうね。

 

事後的に考えれば、全部当てはまるじゃんってことなんだけど。

 

会計士であれば、今回の不正を見抜けたか。

組織ぐるみでやってたら、まず無理だと思う。

日産は上席者のハンコがあれば、統制テストはパスしちゃうし、神戸製鋼はそもそも強度が足りているかどうかなんて会計の数値で判断できないんじゃないかな。

 

それを考えると、会計士が不正を見抜くなんて組織ぐるみでやられらたらまず無理。

そもそも不正をしている会社が監査法人と監査契約を結ぶのは、そもそも契約に瑕疵があると思う。被監査会社は、財務諸表が正しく作られているかどうかをみてもらうために監査契約を結ぶのに、正しく作ろうとしていないわけだから。

 

じゃあ、そもそも会計監査の役割は?

誤謬に対しては有用だよね。

監査を受けていることが一定の抑止力にはなるよね。

組織ぐるみの不正は無理だけど、従業員不正には有用かもね。

これを前提とすれば、きっと今やってる監査手続きをもっと減らせる。

 

企業の根幹を揺るがすような不正って、結局は経営者不正(組織ぐるみの不正)なわけだから、経営者教育をきちんとするとか罰則を強化するとかそういうところをやっていかないとだめなんだろうな。それを会計監査でやろうとするから現場が疲弊するような気がする。特別な検討を必要とするリスクは不正リスク以外をみるべきだよね。

 

今日はだいぶ専門的な話になってしまったな。

では、また。